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絵本の学校


おはなし絵本の会 連続講座 絵本の学校
  2003年の募集は締め切りました。
  期間 2003年 5 月~11月(毎月1回 全6回) ※8月は休講
  第1回 2003年 5 月16日(金) 講師:和歌山静子先生 終了
  第2回 2003年 6 月13日(金) 講師:正高信男先生 終了
  第3回 2003年 7 月11日(金) 講師:あきやまただし先生 終了
  第4回 2003年 9 月12日(金) 講師:安富ゆかり先生 終了
  第5回 2003年10月17日(金) 講師:とよたかずひこ先生 終了
  第6回 2003年11月21日(金) 講師:西本鶏介先生 終了

第1回要約 講師:和歌山静子先生
絵本というのは、めくってなんぼのもの。一枚一枚の絵がいくら良くても、子どもが興味を持てるとはかぎらない。めくって絵を見て楽しんで、そして声を出して読んで楽しむ。それが絵本なのだ。例えば私が気に入った絵本で『よあけ』というのがあり、これは、中国の漢詩をもとにした絵本。瀬田貞二さんの訳で、「やまが くろぐろとしずもる」「こうもりがいっぴきおともなくまいでる」という、おとなでも難しいような表現が出るのだが、くり返し声に出して読んでやると、二歳の息子はそのまま理解した。シュルヴィッツの絵はちっとも説明的ではなくて、東洋風の静かな雰囲気を持った絵だからこそ、子どもでもこのような言葉を理解できるのだと思う。だから、自分の絵本を作るときもことばを入れるべき位置と絵とのバランスにはとても気を使う。 私は去年初めてダイビングを体験した。それで、こんなに面白い世界があるのかと感動した。海の中は山が逆さまにあるような感じ。すぐ、ライセンスを取得した。今後は、海の絵本も描きたいと思っている。展覧会や映画も大好き。おいしいものを食べたり、映画を見たり、旅行をしたりすることは、自分だけが感じたり、うれしかったりすること。それらは自分の人生を豊かにし、いろんな考え方を導いてくれる。私はこれからもいろいろなことに興味を持ちながら絵本を描いていきたい。

第2回要約 講師:正高信男先生
私は「言葉の習得」に興味があり、研究している。その研究対象は主に0歳児なのだが、日本では協力してくれる乳児が集まりにくい。それで、考えたのが、子育ての悩みに助言をすること。実験に参加すると、それなりにいいことがある。そうすれば、参加者も実験対象になるだけでなく、お互いに幸せである、と。では、絵本の語りかけをしていると何ができるか。まず、9か月くらいになると子どもの中に言葉に対する記録ができる。子どもがおしゃべりするのはだいたい一歳だから、おしゃべりする3か月前にも、もう子どもは言葉というものの記録を心の中に形成していることが、実験から分かっている。最近「子どもに遊んでやりたいけれど、どうやって遊んでやればいいか分からない」という親がいる。「それでは絵本でも読んであげたらどうですか」と言うと「まだ言葉も話さない子どもに絵本を読んでも分かるわけない」と言う。しかし、それは非常に大きな誤解。われわれは言語の習得というと、英語を覚えた時のように、おうむ返しに言葉を発しながら覚えるものだと思っている。しかし、実は0歳児は自分が興味のある言葉だけを、しゃべることなしにどんどん記憶していく。その後、記憶されたものがある程度たまった段階で、あるとき自発的にしゃべっていくのである。だから、おしゃべりしないから絵本を読んでも仕方ない、と言っていると、言葉の出る時期が遅れるだけ、ということになる。

第3回要約 講師:あきやまただし先生
娘が生まれるときに、赤ちゃんグッズをそろえるので、絵本ももちろん見にいって、ひととおり、定番のは買ったが、新しいものでおもしろいのがなかった。これは自分だったらこう描くなあっていうのがたくさんあったりして、じゃあ自分で描こうと思って講談社に応募したら新人賞をもらったのが絵本を描き始めたきっかけ。でも、その次の作品っていうのがなかなか出せなかった。まさにスランプ。どうしたらいいかわからなくなっていて、そんなときに、もうとことん子どもとつきあってみた。徹底的に遊んで、ほんとうに母親が二人いるような状態。ケンカもしたりおこったりしながら、そういう子どもとの付き合いの中から絵本を作るためのエッセンスみたいのを自分の中に取り入れていたのだと思う。そしてあるとき、自分の作る絵本ががらっと変わった。子どもがすぐにおもしろいと反応するような言葉遣いとか表現とか、絵の形とか、そういう方向へどんどん変化していった。実際それを子どもに見せたりすると喜ぶわけで、ああ、絵本ってこういうものかとプチ開眼できた。自分の自己満足で描いていてもしかたないのだなあと。要するに絵本っていうのは、親と子が楽しい時間を共有するためにあるべきものだと思う。だから、今後も、やっぱり絵本は親子で笑って楽しめるものを作っていきたいと思う。

第4回要約 講師:安富ゆかり先生
おはなし会をするときには、事前の準備がとてもたいせつです。どんな本を選ぶか、選んだ本をどんなふうに読むのか。本選びについていえば、例えば民話などに多いのですが、同じお話でも本がいくつもある場合があります。それぞれよく見比べて、自分がどの本を子どもたちに読むのか決めてください。そして自分が選んだ本がどういうお話なのか、どういう状況なのかということをきちんとイメージしておくことが必要です。また、絵がどんなふうに語っているのかを見ておくことも大事なポイントです。おはなし会が始まったら、子どもたちにきちんと届くように読みます。声色を使いこなすというよりも、声は大きい小さい、高い低い、速い遅い、この六項目を駆使して、聞こえにくい子がいないようにしてあげてください。本は自分の勝手のいいほうの手で真ん中を持ち、あいているほうの手をページのすみに添えて、本を安定させます。新しい本の場合はどうしてもページが戻ろうとするので、真ん中をぎゅっと押し開いて開きぐせをつけておくといいでしょう。いろいろと気をつけることはあるのですが、やはり基本は「楽しみながら」ということではないでしょうか。義務感などからではなく、明るくおおらかなあったかい気持ちを持って、子どもたちと一緒に絵本を楽しんでください。

第5回要約 講師:とよたかずひこ先生
今回のような講演のきっかけとなったのは『でんしゃにのって』(アリス巻)という作品だと思っています。これはいわば自分が自分のために作ったような作品でした。これの原案のダミーは、ほとんど仕上がったものと同じ構成なんです。こういうのは最初で最後だと思っています。この話は、自分の小さいころの電車にまつわる思い出とか、子どもたちといっしょに田舎へ帰るときの光景とか、そんなことがぜんぶ重なって、ある日すとんとこの話しができました。要するに別に自分の子どもにむけて作ったりしたわけではなくて、ちょっときざな言い方をすれば自分が自分のために向けて作ったような絵本だったんですね。普通は、うんうんうなっていろいろ考えて何度もやり直しをするんですが、そのときはほんとうに、5分もかからなかったとかそんな極端な感じ。それが意外にみなさんに受け入れてもらえた。時間をかけただけいいものができるかっていうとそうでもないんです。この仕事にはこういう不思議な要素が多分にあると思います。これは絵本に限らず、いろんな創作物で共通のことと思います。ただそれはいつ天から降りてくるかわからない、じゃあ寝てまっていればいいかっていうとそうではない。やっぱり力技で考える作業をやっていくうちに、なんかふっとわき出るものがあったときに、また素直な作品ができあがっていくんではないかなと思うのです。

第6回要約 講師:西本鶏介先生
この間、万葉集の研究家の方が毎日新聞で、こんなことを書いていました。…日本人は今こそなつかしいという心をたいせつにしなければならない。私が、今、日本人に取り戻してほしい、と思う懐かしさとは…人が心の原点として持ち続けているものへの思いです。今の子どもたちは田植えをしたことがありませんが、田植えを体験させると「なつかしい」と言うそうです。田植えを通じて人間本来の姿に触れるためです。自然の姿に戻った感覚に「なつかしい」と思うのでしょう・・・私はこれを新聞で読んで、絵本を読み聞かせるというのは、実にこのなつかしいという心を育てることだと思うんですね。子どもは心の原点を実際に体験したものでなくても、様々な絵本を読み聞かせることによって、そこに描かれている心の原点というものに触れることができるのです。お話にはいろんなスタイルがあり、いろんなものを絵本にすることができます。『ことわざのえほん』(鈴木出版)が今いろいろなところで取り上げられていますが、小さい子どもだって、からすのぎょうずい、石の上にも三年、泣きっつらにはち、とことわざくらいはすぐに覚えちゃうんです。『はいくのえほん』(鈴木出版)もあります。日本の言葉のリズムは何をやっても五七五なんです。小林一茶の「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」という俳句に絵があれば、小さくても「そうか、そういう意味か」と分かるのです。このように、いろんな絵本を与えることもたいせつです。

時間 各回とも午後6時15分~7時45分(受付開始・午後5時45分)
会場 鈴木出版(株)3F会議室(JR山手線巣鴨駅下車・徒歩8分/または都営三田線千石駅下車・徒歩4分)
定員 40名(幼稚園、保育園の先生方が対象です。)
内容
5月
講師
和歌山静子先生(絵本作家)
【人と人をつなぐ絵本の世界】
『おうさま』シリーズで有名な画家。自作の絵本も多数あり、その魅力的な絵は大人気。日中交流センターでの活動などもされており、グローバルな視点で絵本を語っていただきます。
6月
講師
正高信男先生(京都大学霊長類研究所助教授)
【比較行動学的絵本の見方】
『0歳児がことばを獲得するとき』『赤ちゃん誕生の科学』などの著書があり、独自の「子育て」理論を軸に、保育の現場でも有効なお話をしていただきます。
7月
講師
あきやまただし先生(絵本作家)
【私と絵本】
『うみキリン』『まめうし』『たまごにいちゃん』『どっちーぬくん』などユニークなキャラクター絵本の作者に、作品の誕生秘話も含めて絵本づくりについて語っていただきます。
9月
講師
安冨ゆかり先生(JPIC読書アドバイザー)
【読みきかせの現場から】
書店や図書館などで読みきかせの指導をしている中での体験談や役立つ情報をお話しくださいます。
10月
講師
とよたかずひこ先生(絵本作家)
【私の絵本ができるまで】
『ももんちゃん』シリーズ『わにのバルボンさん』シリーズなどで有名な作者。作者自身が各地で講演会や読みきかせなどをしたその体験も交えながら楽しく語っていただきます。
10月
講師
西本鶏介先生(昭和女子大学教授)
【絵本の持つ力】
本講座のまとめとして、子どもに対して「絵本」というものが発揮できる力、その可能性について、具体例をあげながら語っていただきます。
受講資格 幼稚園、保育園の先生方
受講料 6,000円(第2期全6回分)
ただし、園としてお申し込みの場合は、賛助会員(年会費10,000円)になっていただくと、1園から2名様まで無料で受講できます(代理聴講も可)。
特典
A 会報「おはなし絵本の会」、月刊絵本『こどものくに・ひまわり版』最新号(定価350円)進呈。
上記2点は各回受講の際にお渡しします。
B おはなし絵本の会主催の他の講座などの受講料割引。
申込方法 受講申込書にご記入のうえ、受講料を添えて鈴木出版担当者にお渡しください。
または、郵便振替(口座番号;00140-6-606202 口座名称;おはなし絵本の会)にて受講料をご送金のうえ、申込書を郵送かFAXでお送りください。
申込締切 定員になり次第締め切らせていただきます。
問い合わせ

おはなし絵本の会(鈴木出版内)
   〒113-0021 東京都文京区本駒込6-4-21
   TEL:03-3947-5161 FAX:03-3947-5144
  E-Mail:ehon-1@suzuki-syuppan.co.jp

※絵本の学校第1期の要約は、こちらをご覧ください。
※絵本の学校第2期の要約は、こちらをご覧ください。