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絵本の学校


おはなし絵本の会 連続講座 絵本の学校
  2004年の募集は締め切りました。
  期間 2004年 5 月~11月(毎月1回 全6回) ※8月は休講
  第1回 2004年 5 月20日(木) 講師:宮西達也先生 終了
  第2回 2004年 6 月17日(木) 講師:朗天狗・あきひろ先生 終了
  第3回 2004年 7 月 8 日(木) 講師:森久保仙太郎先生 終了
  第4回 2004年 9 月16日(木) 講師:安富ゆかり先生 終了
  第5回 2004年10月21日(木) 講師:西内ミナミ先生 終了
  第6回 2004年11月18日(木) 講師:西本鶏介先生 終了

第1回要約 講師:宮西達也先生
講師:宮西達也先生
ぼくは優しさや思いやりのあるものを…思って絵本描いているんです。その中に、『にゃーご』という本があります。これは小学校2年生の国語の本にのっています。講演先で子どもたちがいると、「この先生ね、『にゃーご』描いた先生だよ」と言うと、二年生以上の子どもは「あ、宮西達也先生ですね」という。あったこともないのに。いつも音読してるからなんですね。うれしいことです。「じゃあ、子どもが大きくなったら学校でもらってくるから、ただで読めるわ」と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、絵本と教科書ではぜんぜん違うんです。まず、教科書にはいろんな作家の人がこうやってのっています。だから、決められた少ないページに『にゃーご』を納めなきゃいけない。そのためにはどうするか。絵を小さくしたり、絵をカットしたりするんです。絵本っていうのは絵と文章でひとつの読み物なのに絵をとってしまうんです。教科書にのることによってたくさんの子どもたちにふれるのは嬉しいけれど、ほんとうの『にゃーご』ではないな、もう、別物だなと思っています。その証拠に、山形にいったとき、この大型『にゃーご』を子どもたちに読みました。そしたら、「あーおもしろかった」と言うんです。「教科書で読んでるときよりずっと面白かったなあ」と言ってくれました。これこそが、「絵本」としての『にゃーご』の醍醐味なんだと思うんです。

第2回要約 講師:朗天狗・あきひろ先生
講師:朗天狗・あきひろ先生
日本では、3歳の子どもから80歳のおじいちゃんおばあちゃんまで、「絵本といえば子どもの本」って思っています。さらには「字が少ないやつ」「ひらがなを覚えたり、話を覚えるための書物」って、ほとんどテキストのように思っています。これは日本だけの特徴なんです。たとえばスウェーデンという国では、「絵本は童心に帰るためのたいせつな書物」ってみんな思っています。忙しいときやわれを忘れそうなとき、絵本の中のあるページを見ただけでも、童心へタイムスリップできるわけです。さらにこの国がすごいなあと思うのは、絵本が読みつがれていくということ。親は自分の子どもが結婚するとき、その子が大好きだった絵本をきれいな布につつんで渡すんです。ところで、ぼくの本業はブックドクターですが、これはたとえばハートブレイクした人から症状を聞いて、心につける薬として絵本を処方する仕事です。そのぼくが日本中言ってまわっているのは、とにかく子どもに読もうとしてあげてください、ということ。ぼく自身、いろんなところで「読あそび」ということをしていますが、とにかく、何度つまってもいいし、声色を使ってもいいし、その地区の方言を使ってもいいから、読もうとしてほしいんです。絵本の中には人生をきりぬけていくための知恵もたくさん入ってますからね。

第3回要約 講師:森久保仙太郎先生
講師:森久保仙太郎先生
こどものくにのチューリップ版から出た『バナナのかわですべったら』(もりひさし/作 西川おさむ/絵 こどものくに傑作絵本 金の星社刊)という絵本があります。これは西川おさむさんというユニークな絵を描く画家さんの絵で、調子よく読めるようにつくったんです。三十数年前の本ですが、読み聞かせに最適だ、ということで最近、読売新聞でとり上げられました。「バナナのかわを だれかがすてる だれかがすてれば だれかがすべる だれかがすべれば だれかがわらう だれかがわらえば…」とこんな調子です。なぜこんな調子のいい言葉をつけたかというと、テンポのよい文章を読んでいくと、いつの間にかたいへんなことになってしまう。こうなったらこうなるな、と大げさな100階のビルも倒れちまうと、どんどん頭の中をエスカレートさせるわけでしょう?そのために、文章が潤滑油みたいな役割を果たしています。そういうことを考えて、すべすべと油の役目のように書きましょう、と書いたのがこの文章です。ところが、広がった空想でない現実は何かという、それがただひとつ「さるのモンキッキがバナナですべった」ことなんです。これが空想の始まりなんですけれど、すべったバナナの皮をそのままにしておいたら、本当はりんご売りがまだ来ないのに、来たら、来たらと、この場面から変わるでしょう。そうすると、バナナの皮ですべったことは、大したことではないけれど、とても大切なことのように思えるちょっとしたことが実感をもって、大げさにいえば感動をもってくるわけです。絵本というのは変化、何かが変わるということが、とてもたいせつな場面を果たしているのです。

第4回要約 講師:安冨ゆかり先生
講師:安冨ゆかり先生
1冊の絵本にはたくさんの切り口があります。たとえば、「にんじんとごぼうとだいこん」という絵本は、一昨年から去年くらいにかけて、私たちのお話会で一番登場していた絵本です。いろんなシチュエーションのところで、読んでいたんですね。私たちが、お話会をやるときは、あまりにもいっぱいある本の中から選び出すために、わざわざとというわけではないですが、こういうことで考えようっていう感じでテーマを設けて本選びをすることのほうが多いです。おかげさまで定期的にお話会をさせていただいている書店さんなんかでは、そのときそのときの場当たり的なテーマ設定の仕方ではちょっとおいつかなくなってきたところがあって、1年間やることはわかっているから、年間テーマを設けてやってみようと、相棒といっしょに考えまして、12か月12色のクレヨンに見立ててやってみたことがあります。この本は赤の月に登場しました。にんじんさんが赤いわけっていうので赤の月。今度ほかのときはっていうと、素直に野菜とか食べ物とかっていうのときにも登場するわけですよね。あと、これ、ご存じのように野菜がお風呂に入ります。あったかいお風呂、冬場あったかいものっていうのをテーマにしたときに、やっぱりこの本が登場しました。ですから、ある種の切り口といいますか、見方によって、ほんとに使い回しというのではないですけど、大活躍をしてくれた絵本です。そしてもうひとつ。お話会で読み終わった瞬間に、ああ、おもしろかった、もう一回読んでっていうのはそうそうある現象ではありません。子どもたちも、お家で読んでもらっているのとは違うお話会とわかっているせいもあると思うんです。でも、この絵本は何度も、読み終わっておしまいってしたときに、「もう一回!」っていう声があがった、数少ないとてもうれしい本です。

第5回要約 講師:西内ミナミ先生
講師:西内ミナミ先生
私は、3、4歳から5歳にかけての子どもに読む絵本には、エンドってところにハッピーをつけたいんです。これから私は絶対ぬけられません。この時期の子どもたちが求めて、勇気づけられているのは、いろんなことを経ていっても最後はハッピーエンドになるっていうお話、これが子どもを勇気づけるんだと思うんですよね。この段階をきちっと経てしまえば、『スーホの白い馬』とかの終わり方の悲しいお話にも、子どもはついていけるんです。子どもの成長っていうものは、いったんは、自分も負けずにこれから生きていこうっていうお話によってそういう力をもらってハッピーエンドで気持ちをすっきりさせておかないと、次には進めないと思うのです。そのために幼児期の絵本っていうのはあると思うんです。これをたっぷりと、まわりのおとなが与えてしまえば、子どもは間違いなく、自分の自己を確立して、それぞれに成長していくって思います。もちろんいろんなパターンがあります。いたずらばっかりするけれど、ほめてもらえるおさるのジョージもそうですし、『だるまちゃんとてんぐちゃん』とか、いろんなパターンの本がある中で、ストーリーの仕組みがしっかりしているものがたいせつなのです。

第6回要約 講師:西本鶏介先生
講師:西本鶏介先生
子どもたちに絵本を読み聞かせしてあげること、お話をしてあげること。それを義務と思ってはいけません。そういったことがなんて楽しいんだろう、なんてすてきなんだろうって、自分自身が喜びを感じるようになってほしいと思います。今、世の中はいやなことばかりです。それはどうしてなのか。一番の原因は、想像力の欠如にあるのではないかと私は思います。想像する、空想することをまったくしない。だから、人の痛みがわからないのです。これは私たちおとなの責任です。子どもというのは、みんな素晴らしい心を持っています。だからこそ、子どものときにその心を鍛えてあげなくてはならないのです。子どものころのイメージは、大きくなってからもずっと残っているものですから。お話には、楽しいお話、不思議なお話、心を打つお話と、いろんなジャンルがありますので、それらをうまくミックスして子どもたちに読んであげてください。絵や、ていねいな解説があれば、俳句やことわざだって、子どもたちはきちんとわかるのです。時と場合に応じて、自分のポケットからぴったりの本を出して、子どもたちに読んであげられるようになれたら、すばらしいですね。

時間 各回とも午後6時15分~7時45分(受付開始・午後5時45分)
会場 鈴木出版(株)3F会議室(JR山手線巣鴨駅下車・徒歩8分/または都営三田線千石駅下車・徒歩4分)
定員 40名(定員になり次第締め切らせていただきます)
内容
5月
講師
宮西達也先生(絵本作家)
【ぼくの絵本を通して】
『おっぱい』『にゃーご』『おとうさんはウルトラマン』などで有名な作者。絵本作家であり、父親でもあるという立場から考える、「絵本の可能性」について語っていただきます。
6月
講師
朗天狗・あきひろ先生(ブックドクター)
【絵本こそが地球を救う】
子どもからお年寄りまでを対象にした絵本の普及活動を通して、殺伐とした世の中をにこにこ朗らかにしたいと願うあきひろさん。彼の楽しい読み聞かせ術を聞いて元気をもらいましょう。
7月
講師
森久保仙太郎先生(児童文学者)
【絵本の奥深さ】
ペンネーム・もりひさし。『はらぺこあおむし』など翻訳も多くあります。戦後の日本の絵本草創期から絵本制作の裏側を見てこられた立場から、その奥深さについて語ってくださいます。
9月
講師
安冨ゆかり先生(JPIC読書アドバイザー)
【読みきかせの現場から】
書店や図書館などで読みきかせの指導をしている中での体験談や役立つ情報をお話しくださいます。
10月
講師
西内ミナミ先生(絵本作家)
【私と絵本と文庫活動】
代表作は『ぐるんぱのようちえん』。絵本作家として活躍するかたわら、地元杉並区で文庫活動をされている中での体験談も交えて、絵本の持つ力について語っていただきます。
10月
講師
西本鶏介先生(昭和女子大学教授)
【生きる糧となる絵本】
不安な世の中の未来を担わなければならない子どもたちにとって、心のよりどころとなるような絵本とはどんなものなのかを、本講座のまとめとして、具体例をあげながら語っていただきます。
受講料 6,000円(第4期全6回分)
申込締切 定員になりましたので終了しました。
問い合わせ

おはなし絵本の会(鈴木出版内)
   〒113-0021 東京都文京区本駒込6-4-21
   TEL:03-3947-5161 FAX:03-3947-5144
  E-Mail:ehon-1@suzuki-syuppan.co.jp

※絵本の学校第1期の要約は、こちらをご覧ください。
※絵本の学校第2期の要約は、こちらをご覧ください。
※絵本の学校第3期の要約は、こちらをご覧ください。