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絵本の学校


おはなし絵本の会 連続講座 絵本の学校
  おはなし絵本の会 第10期生募集は締め切りました。
  期間 2010年 5 月~11月(毎月1回 全6回) ※8月は休講
  第1回 2010年 5 月20日(木) 講師:藤本ともひこ先生
  第2回 2010年 6 月17日(木) 講師:長谷川知子先生
  第3回 2010年 7 月15日(木) 講師:山口マオ先生
  第4回 2010年 9 月16日(木) 講師:聞かせ屋。けいたろう先生
  第5回 2010年10月22日(金) 講師:長谷川義史先生
  第6回 2010年11月18日(木) 講師:西本鶏介先生

第1回要約 講師:藤本ともひこ先生
講師:藤本ともひこ先生
1991年くらいに講談社で絵本の新人賞を募集していたんですね。今も毎年やってるんですけど、それに応募して、一冊目の絵本を受賞させていただいて、それがデビュー作です。今は絶版でありません。インターネットでは7000円くらいで買えるよって出てくるんですけどね。うちにもあと一冊くらいしかないです。
当時、どうして絵本を描こうと思ったかというお話を少ししますね。ぼくは、すごいマンガっ子だったんです。マンガっ子が、学生時代に小石川図書館でバイトしたときに、児童書の担当ねって言われました。あのあたり、お昼食べるところが何もないんです。だからお昼休みはおにぎりを買ってきて、絵本をずーっと「あ」から読んでいったんです。1970~80年代の有名な絵本作家の方たちの、新しい絵本とかいろんなもろもろの絵本と出会って、絵本っておもしろいなと思った。ところが、「これならおれも描けるじゃん」って言う悪い気持ちが起きたんですね。そこで、やりたかったのがマンガと絵本を混ぜたものだったんですね。当時書いた絵本の見開き、コママンガなんです。だから、全然読み聞かせには不向きです。今考えると。セオリー違反。これは読みづらいじゃないですか。やっぱり。今は読み聞かせをかなり意識して作ってる場合もありますけどね。内容はというと、電車の中を友達が迷子になっちゃったので、探しに行くっていう話なんですね。どんどん探しに行って探しに行って、六コマ目に次の車両のドアがある。この車両のドアをあけて次のページにいくわけです。ま、ありがちですけどね。読み聞かせというよりは自分で楽しむ絵本です。マンガのコマワリと細かい楽しさと、絵本の見開きのダイナミックなところとを混ぜて賞をいただいたっていうのがデビュー作なんです。
今やっていることを考えると、やっぱり一冊目って、今に影響していると思います。やりたいことがたくさんつまってる感じ。今、それをバラバラにやっている。コマに割らないで一場面一場面で見せていったらどうなるかみたいなことを、ちょっとずつやっていってるという感じがします。

第2回要約 講師:長谷川知子先生
講師:長谷川知子先生
ほんとうはひざを抱えた一人の子どもの話しが描きたいな~って思っていたんですけど、理論社で最初にやった『先生のおとおりだい』っていう話が、子どもがいっぱい出てくるお話だったんですよね。一番最初の講談社の話は、1930年代のアメリカの子どもの話だったのですが売れなかった。だから、たくさんの人目に触れたのが、理論社の最初の本だったんです。そのいたずらっ子みたいな、たくさん子どもを描く絵描きがいるっていうのが、私を知ってくださる発端だったんだと思うんです。これはおもしろいことだなと思います。初めての講談社の本で私がバアッとブレイクしたとしますね。そうしたら今、この世界にいなかったかもしれないと思うわけです、ときどき。人目に触れたおかげで、今の自分があるってつくづく思います。
というわけで、たくさん子どもを描くようになったのは、理論社の本からです。その後も、「1ねん1くみ1ばん」のシリーズになると、32人クラスを設定したから、毎回毎回3人から5人くらい、5人から10人くらい子どもが出てくるわけです。内容によっては全員が出てくるわけですよね。遠足なんかに行くと子どもだけじゃなくて、池の中にいる鳥とかサル山にいるサルとかね、そういうのいっぱい出てくるわけですよ。だからものすごくいっぱい描いているっていう感じがして、私は一人を書く絵描きだったはずなのに、いつからたくさん描く絵描きになっちゃったんだろうって思いながら描いていたわけです。でも、このシリーズが去年終わりましたから、「ああもうしばらくは大勢描くってことはやめようかな~、しばらくないね~」と思っおりましたら、実は、鈴木出版から『すべりだいなんてきらいだ』っていう絵本のお仕事をいただいていたわけです。これ、描き始めたら、子どもがいっぱい出てくるんです(笑)。ああ、やっぱり逃れられない世界だという感じでしたね。数限りなく子どもが出てくるので、同じ子どももいれば、着ている服とか髪の毛の形とか色々です。毎回、この子いるよねって数えたりしながら描くんですけどね。もう、子どもをたくさん描くのは卒業できないんだなと、この仕事をしながら思いました。ただ、若いときと違いまして、だんだん一気にかけなくなっちゃうんです。だからちょっと時間もかりましたけど。

第3回要約 講師:山口マオ先生
講師:山口マオ先生
『なりました』
「わにわに」よりも一番最初にぼくが書いた絵本っていうのは、実は内田麟太郎さんの『なりました』なんです。これ、「こどものくに」での初出は一九九六年八月号のたんぽぽ版です。最初の『わにわにのおふろ』が出たのが二〇〇〇年なので、それよりずっと早かったんです。内容は、非常にナンセンスだけど、よくできてるんですよね。カバが伸びたらゾウになって、カメが伸びたらカッパになるって、なかなか想像できないですよね。あたりまえなんですけど、ぼくらがお仕事いただくときには文書だけです。それをぼくらがビジュアル化していくわけです。そこでいろんな絵描きさんがいるから、いろんなおもしろい可能性が出てくるんですね。ぼくの場合は、これに関してはシンプルなものを作ろうと思いました。このころはとくに、木版っていうものにこだわっていたし、木版のその技法にずいぶん助けられてるかなっていう感じはありますね。これ、手書きで描いてこういうシンプルな感じで見せるっていうのは、相当うまくないと難しいかなって思うんですね。木版だから生きているっていうか…。
多分これは、鈴木出版的には、あんまり評価してなかったんじゃないかな~と思っています。なぜなら、この二年くらいあとに、『ふくろうのそめものや』というのを作ったんですけれども、こっちのほうが先に単行本になったんですよね。多分、こっちのほうが手堅いと思ったんでしょうね(笑)。これに遅れること三年位かな、ずいぶん遅く、もう忘れたころに『なりました』が単行本になるって連絡がきたときにはすごくうれしかったですね。もう無理だと思っていましたから。最近その『なりました』が、『ふくろうのそめものや』を出し抜いて韓国語版になりました。こうやって外国の人が読んでくれているかと思うと、うれしいですね。

第3回要約 講師:聞かせ屋。けいたろう先生
講師:聞かせ屋。けいたろう先生
大学の恩師、佐藤先生が授業の中で、絵本の読み聞かせをしてくれたんです。その授業がすごく楽しみでした。そのなかで、『ぐりとぐら』、『かわいそうなぞう』など、いろんな名作を読んでくれました。その先生に絵本を読んでもらっているときに、ぼくはこの光景はおかしいのではないかと思いました。絵本なのに、子どものための本なのに、夢中になっているクラスメイトがいる。絵本は大人でもおもしろいんじゃないか。映画に近いものを感じました。新しいスタイルでやりたいと思ったときに路上が出てきたんです。全く興味がない人に届けたいと思ったんです。でも、夜の路上は恥ずかしくて。帰りたいなと思いながらも絵本を読み始めました。しばらくすると、女子高生二人組が来ました。金髪でまつげがすごいのが来て、ぼくの前に座るんです。「なーにやってんの?」「絵本読んでるんだよ」って言ったら、「いいことやってんね~」って(笑)。「ありがとう。何か読む?」と言ったら、「いいよ」と言ってくれたんです。初めて大人に読む、すごく緊張してたんですよ。もし、「ふんっ、だっせーこいつ」とか言われたらどうしようとか思って(笑)。でも読んだら、「おもしろかった」と言ってくれたんです。三冊読んだ後に『かわいそうなぞう』をリクエストされたんです。「これかわいそうだよ」と言うと「知ってる。でも読んでほしい。最後に」と言うので、読んだんです。読でいるうちに、すごく夢中になって聞いていて、ぼくもそれに応えたいと思って、一生懸命、読んだんです。そしたら、目も何も動かなくなって、そして終わったんです。ラスト一行を読んでも拍手もない。よくなかったかなと思っていたら、泣いてたんです。その時に、あー届いたと思って、雑踏の音も何も聞こえない一瞬があって、これは大人に届くな。だれもやってないなら、俺がやらなくちゃいけないと思って、そこから毎週毎週、赤羽でやったり、池袋でやったり、新宿でやったり。いろんなところで「聞かせ屋。」をやっていく中で、取材の声がかかり、「路上で大人に絵本」というタイトルで取り上げてもらったりして、公演にもよんでもらえるようになりました。本当に最初はゼロからで、出版社とのつながりも、作家とのつながりも何もなかったです。

第5回要約 講師:長谷川義史先生
講師:長谷川義史先生
『おじいちゃんの おじちゃんの おじいちゃんの おじいちゃん』(BL出版)がぼくのデビュー作です。その当時、絵本を描いてみたかったんですけど、どうしたらいいのかまったくわからずに、ただ漠然と絵本を描きたいと思っていました。そんなときに「絵本を描きませんか?」という話をいただいたんです。松田素子さんという有名な編集者がいるんですけど、ぼくの描いた芝居のちらしをみて、この人は絵本を描けるんじゃないかって思ったらしくて、家に尋ねて来られたんです。わざわざ東京から来られて。十五年くらい前のことです。それでやりたいって言ったんです。そうしたら、「じゃあ、どういうものを描きたいですか?」って言われたんです。ぼくは、ただ漠然と絵本を描きたいなって思ってたから、何にもなかってん。「なんか出してくれなきゃできないよ」って言われました。そしたらうちの奥さんが、すかさず「わかりました。一ヶ月で出させましょう」って言ったんです(笑)。それで、あれよあれよという間に一ヶ月経って、何か出さなあかんわと思ってるときに、この本のアイデアを思いついたんです。それからが大変だったんですけどね。そこで、松田素子さんのほんとうの厳しさがわかったんです(笑)。一年後、やっと一冊分描いて、新大阪のホテルの喫茶店で松田素子さんとBL出版の落合さんに会いました。そのときにはBL出版での出版が決まってたんですけど、それまでに何社も断られてたらしいんです。できあがった原画をみて、松田素子さんは「長谷川さん、やりなおそう」って。実は、自分でも迷いがあったんです。もっと大胆に描きたいなって思ってたけど、この本に出てくる細かい時代背景の関係もあって、そのへんが全然描けてなくて。でも「やりなおそう」って言う方も勇気あったと思うんです。だから、半分はほっとしたんですよ。このままの状態で本を出さなくていいんだって。描くチャンスがもう一回あるわと思って。そのときは暇やったからね、なんぼでもできたんです。それから一年くらいかかったんです。だから、トータルで三年もかかったんですけどね。

第6回要約 講師:西本鶏介先生
講師:西本鶏介先生
『100万回生きたねこ』はたいへん長い間読まれている本ですが、特に大人に人気があります。よくよく考えていくと、猫はいろんな生き方をしたけれど、いくら自慢してもそのことになびかない白い猫に出会って、初めて本当に愛すべき猫を発見したんですね。それで、だまってそばにいた。何を言っても、「そう」としか言われなかったけど、ある日、「ええ」と言ってもらえた。そして彼女が死んだら、また生まれ変わって、新しく生きることなく、白い猫といっしょにいる方ががいいやとそのまま生き返らなかった。『101万回生きたねこ』にはならなかったんです。私だったらまた生き返るけどね。 そんなにがんばったんだから、そこまで割り切って、白い猫のそばにいなくてもいいじゃないか、白い猫ってそんなにいい女かよ!って思いますけど(笑)。猫の中には、言い寄っていろんなことをしてくれた猫もいたのに、白い猫は何もしてくれなかった。「そう」って言っていただけ。何にもしてくれない白い猫のどこがよかったのか…。蓼食う虫も好き好きという言葉がありますけど、私だったら、もっといろんなものを持ってきてくれる猫のほうがずっといいわってという人もいると思います。絵本というのはいろんな解釈や受け取り方がありますね。もし、小学生が読んだら、全然違う解釈をするかもしれませんね。ここで私が一番言いたいことは、大人っぽい作品だったけど、子どもであろうと大人であろうと、それぞれ解釈や理解は全く恣意的なもの、自分だけのものであるということです。どんな絵本であっても、子ども自身が考える解釈、理解、それを発見させてあげてほしいということです。押し付けて「こうなんだよ」と言うんじゃなくて。子どもに考えさせるのは非常に難しいですよ。でもそういうことを丹念に考え何回も繰り返し、想像しているうちに、大人になったときに初めて死とはなんだろう? 生きるってなんだろう? っていうことの理解力が出てくると思うんですよ。
今はそういうことが考えられない人間がいっぱいいるから、おかしな政治家が出て来るわけですよ。今日の国会中継を観ていたら、なんだか、日本ももう終わりなような気がしますよね。それは、はっきりいうと、想像する力が欠けているということです。ワンパターンの解釈しかできない。政治家に想像力は難しいことかもしれないけど、人間としてどう生きるかということを考える人になってもらいたい。

時間 講義:午後6時30分~8時00分(受付開始・午後6時)
会場 鈴木出版(株)3F会議室(JR山手線巣鴨駅下車・徒歩8分/または都営三田線千石駅下車・徒歩4分)
定員 40名(定員になり次第締め切らせていただきます)
内容
5月
講師
藤本ともひこ先生(絵本作家)
『絵本と子ども』
絵本のことや園での遊び方についてお話してくださいます。
6月
講師
長谷川知子先生(画家・絵本作家)
『絵を描くということ』
画家としての絵を描くということについて語っていただきます。
7月
講師
講師 山口マオ先生(イラストレーター)
『版画と絵』
版画家として、またイラストレーターとしてのお仕事について。
9月
講師
聞かせ屋。けいたろう先生(JPIC読書アドバイザー)
『読み聞かせの立場から』
元保育士で現在は読み聞かせ屋のけいたろうさんの読み聞かせエピソード。
10月
講師
講師 長谷川義史先生(絵本作家)
『ぼくの絵本』
人気絵本作家の爆笑絵本ライブとご本人の絵本についてお話ししていただきます。
11月
講師
講師 西本鶏介先生(昭和女子大学名誉教授)
『心の底にしみる絵本』
本講座のまとめとして、どんな絵本を子どもたちが楽しむのかを語っていただきます。
協賛 鈴木出版(株)/(株)金の星社
受講料 6,000円(第9期全6回分)
ただし、園としてお申し込みの場合は、賛助会員(年会費10,000円)になっていただくと、1園から2名様まで無料で受講できます(代理聴講も可)。
特典
A:会報「おはなし絵本の会」、月刊絵本『こどものくに・チューリップ版』(定価370円)進呈。
上記2点は各回受講の際にお渡しします。
B:おはなし絵本の会主催の他の講座などの受講料割引。
申込方法 受講申込書にご記入のうえ、受講料を添えて鈴木出版担当者にお渡しください。
または、郵便振替(口座番号;00140-6-606202 口座名称;おはなし絵本の会)にて受講料をご送金のうえ、申込書を郵送かFAXでお送りください。
申込締切 定員になり次第締め切ります。
問い合わせ

おはなし絵本の会(鈴木出版内)
   〒113-0021 東京都文京区本駒込6-4-21
   TEL:03-3947-5161 FAX:03-3947-5144
  E-Mail:ehon-1@suzuki-syuppan.co.jp

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