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絵本の学校


おはなし絵本の会 連続講座 絵本の学校
  おはなし絵本の会 第11期生募集は締め切りました。
  期間 2011年 5 月~11月(毎月1回 全6回) ※8月は休講
  第1回 2011年 5 月25日(水) 講師:もり ひさし先生
  第2回 2011年 6 月22日(水) 講師:宮西達也先生
  第3回 2011年 7 月13日(水) 講師:林 木林先生
  第4回 2011年 9 月28日(水) 講師:斉藤二三子先生
  第5回 2011年10月26日(水) 講師:とよた かずひこ先生
  第6回 2011年11月24日(水) 講師:西本鶏介先生

第1回要約 講師:もりひさし先生
講師:もり ひさし先生
はらぺこあおむし』の日本語版が最初に出たのが1976年、今から35年前です。35年前には翻訳という仕事は非常に下の仕事にみられていました。オリジナリティがある創作、新しいものを生み出すのと比べ、もとになる本があってそれを翻訳すれば商売になると言われていました。今は、訳語の日本語もみな横に書いてありますが、そのころの日本語は右から縦書き、英語、ドイツ語、フランス語はみな横書きだったので、翻訳のことを、「あれは横のものを縦にする仕事だ」というふうに言いました。それは、翻訳というものを蔑んで言った言葉ですが、そういう時代でしたから、翻訳の文章というのは、原文にいかに忠実に日本語を書くか、ということが求められていました。
ところが、『はらぺこあおむし』を見ると、今から三十五年前なのに、"THE VERY HUNGRY CATERPILLAR"のネーミングとまるで違う日本の言葉が出ている。例えば一番先のページを見るとね、英文では"In the light of the moon,a little egg lay on a leaf."と書いてあるのですが、直訳すると「月の明かりが明るく光って小さな卵が一個、葉っぱの上にあります。」となります。ところが、日本語では「おや、はっぱの うえに ちっちゃな たまご」、これはね、このお月様は独り言を言っているのですよ。そのため、その後に「おつきさまが そらから みて いいました」と書いてあります。どうしてそのような訳になったかというと、私の知恵ではないのです。1976年というと、ぼつぼつ始まっていた日本の創作絵本作りが盛んになってきたころです。その頃、早い出版社が外国の絵本を日本語にして出す、いわゆる翻訳絵本というものが出てきました。翻訳絵本は、福音館書店が一番早いです。一番早いのがいつかと言うと、1961年です。1967年頃、日本の創作絵本が始まったのですが、その少し前の1961年に瀬田貞二さんが外国の絵本に詳しく、松居直さんがそれを福音館の外国絵本として出版しました。絵本の特徴、大きさ、絵の色のつけ方、絵本の形が原版のまま出たのが1961年です。

第2回要約 講師:宮西達也先生
講師:宮西達也先生
鈴木出版で作った『どうしたの?ぶたくん』という絵本がありますが、僕は「おとうさん」絵本と呼ばれるものをたくさん描いているんですけど、これが原点になっています。だから、おもしろいものを作ろうと思って描きました。こうやって、僕は鈴木出版で育てられました。いろんな出版社で本を描いていますが、実は一番多いのが鈴木出版なんです。はっきりいって『にゃーご』をポプラ社に持っていったほうがよかったですよ(笑)。きっと、倍以上売れてますよ(笑)。だけど、僕は鈴木出版で本を出した。それも人とのつながりです。
夢を追う力はたいせつだけど、ひとりじゃ夢は達成できない。必ず、助けてくれる人、励ましてくれる人がいるんですよ。『おまえうまそうだな』を映画化してもらったのも僕の力じゃないです。「徹子の部屋」に出たのも僕が出たいって言ったからじゃないんです。周りの人が助けてくれたからなんです。全部人とのつながりです。人の力でここまでたどり着けたんだと思います。だれかが見ててくれて、僕と仕事をやりたいって思ってくれたからです。人とのつながりをたいせつにしてください。そのときに、人に頼ってはいけません。自分ばかりが利益を求めると大成しないと思います。あの人のためだったらただでもやってあげると思うくらいじゃないと。お金や物でつながっているんじゃないんです。

第3回要約 講師:林 木林先生
講師:林木林先生
どうやって絵本の世界に入ったかをお話しします。コンクールに応募したり、ひょんなことで詩のボクシングに出たりということを経て、やっぱり自分は書くことが好きだということを再認識しました。何か言葉を書くことを、ちゃんと仕事にしたいと考えるようになりました。そんな中で絵本をひらめいてきました。絵本の言葉というのはとても詩的です。リズムもありますし、短い言葉で表現されているところが似ています。絵本にもよりますけど、小説とかエッセイの文章とはちょっと違う。それで、絵本の言葉がかけるのではないかと思い始めまして、ネットで絵本の出版社を調べて電話で片っ端から原稿を持ち込みさせていただきますかって聞いてまわりました。一日に三十件くらいかけたら、もう次から次にけんもほろろで。受け付けてないと電話でそのまま断られるのがほとんどで、二~三社くらいがじゃあ郵便で送ってくださいって言う。担当者様はどなたに送ればいいんですかっていったら、編集部宛でとか言われて、これはもう当てにならないなと思って。でもその中でただ一社だけ、会ってくださるといわれた会社がこちらの鈴木出版さんだったんです。そのころはまだ絵本の作り方なんてまるで何も知らなかったので、詩をそのままプリントした紙を持って行ったんです。それでも見ていただいて、気に入っていただけて会議にかけていただくことができました。ですが、やっぱり最終的には絵本のテキストにしなければならない。詩のままの形では絵本としては難しいので直しをやってくださいということになって、直しをしたんです。それが『ゆうひのおうち』です。私は子どものころは夕日とお友だちでした。夕日とおいかけっこしたりかくれんぼしたり、いっしょにね帰ったりしてね。そのころのことをずっとたいせつに思って覚えていまして、おとなになってもこれからもずっと夕日と友だちでいたいなという想いをこめて絵本にしました。夕日は日本人の心の中に住んでいる美しい風景の一つです。その輝きを心に親しく感じてもらえたらいいなあと、時代がどんなに変っていっても大事にしたい風景だなと思って、それを子どもたちに伝えたいなと思って書きました。

第4回要約 講師:斉藤二三子先生
講師:斉藤二三子先生
絵本というのは、それぞれ目的にあわせて使っていいのではないかと私は思っています。しっかりと読み聞かせをしてあげて、はいおしまいって終わるべき本もあるし、こうして遊びたい!っていう本もある。言葉の面白さだけに興味を持ってもっと読んでって繰り返し読むっていうような本があってもいい。
絵本の特徴として、私は、八つ挙げています。まず一つは、子どもが絵を通して追体験ができるということ。「あ、これ知ってるよ~」って子どもが言える絵本ですね。とくに乳児さんの絵本というのは、追体験がとても大事になってきます。例えば、赤ちゃん向けの『わんわんなにかな?』という絵本があります。これは、犬の影絵が出てきます。「だれだろだれだろ、わんわんわんわん」って、めくるとここに犬さんが出てくる。これは、影絵遊びを経験していなければ追体験にはなりませんが、まず影絵遊びからやりましょうっていうことではありません。「影絵の形とこの犬、似てるね、同じだね」と認識する。子どもは「似てる」「同じ」が大好きです。似ていることを発見する、これは子どもの知能を非常に活性化しているのです。これも追体験です。でも、そこまでは考えずに、まず犬の鳴き声のオノマトペである「わんわんわんわん」を楽しんで終わってもいいわけです。これだって、日常犬を見ていることの追体験ですから。
それから、みやにしたつや先生の『うんこ』。学生に読んで聞かせるとすっごく喜ぶんです。「大学生になってもまだうんこ好きなの?」って言うんですけど、大好きなんですよ。これは最後「これがぼくのうんこ」で終わるんですけど、あれもまさに追体験です。くだものとか食べ物の本もやっぱり追体験ですよね。これは、低年齢の子どもたちには非常にたいせつなものです。しつけ絵本とかもそう。これは読み聞かせというよりは、いっしょに共感しながら見ていくものなんですね。子どもが日常生活の中で経験していることを、絵本を通して再認識していく。絵本の中には非常にたくさんの要素がありますが、これがいちばん手っ取り早いところです。

第5回要約 講師:とよたかずひこ先生
講師:とよたかずひこ先生
ぼくは子育てをしているとき、東京都の東久留米市というところの滝山団地に住んでいました。子どもを育てるにはとてもいい環境でした。その最寄の駅が西武新宿線の花小金井で、花小金井と小平の駅の間に車が通らない小さな踏切がありました。そこに、長女を自転車の後ろ、次女を前のかごにのっけて、三人でよく電車を見にいってたんです。電車が通るたびに、三人で手を振っていたんです。振り返してくれることを期待したわけではなくて、ただ電車に。花小金井と小平の駅って、ちょうど駅の中間です。車掌さんっていうのは駅の近くだけ顔を出しますよね、安全確認のために。だからこの区間っていうのは車掌さんは車内に入っちゃって、見てないのが普通でした。ところが、あるときいつものように電車に手を振っていたら、車掌さんが窓をおろしてぼくらに向かって手を振ってくれたんですよ。それがぼくは非常にうれしくてですね。たぶん紙芝居の『でんしゃがくるよ』っていう作品に結びついたと思うんですよ。このあいだ娘たちに話したら本人たち何も覚えてないって(笑)。ひたすら父親だけが楽しい思い出だったということです。
そういうことが子どもと遊ぶとほんとに多いんです。べつに子どもと遊ぶときに何かねたを探すなんてそんな野暮なことはしませんけれども、非常に刺激を受けます。幸いぼくの場合は、講演会などで親子いっしょにという読み聞かせをさせてもらっていることと、近所の子どもたちが何の仕事をしているおじちゃんかまったくわからない状態で遊びに誘いに来てくれるっていう、今生きている子どもに向かって絵本を作っていくための非常に恵まれた環境があります。それだけがよりどころで今生きていけるかなというような感覚すらしてるんですけど(笑)。

第6回要約 講師:西本鶏介先生
講師:西本鶏介先生
昔の人は実にしゃれたお話を作り上げてきたんです。だれが作ったお話とはいえませんが、いろんな人が作ってそしてみんなでしゃべっているうちにお話の世界が広がっていくわけです。改めて、昔話の魅力っていうものをわかっていただきたいと思います。
お互いに孤独な鶴と亀が仲良くなる。それでもう、鶴が我慢できずに、「どうだそろそろぼくの嫁になってくれないか」って言ったらですね、亀は「いやだ」っていうんですよ。「なんで? ふたりでいつも話あってたじゃないか」って、よくよくわけをきいてみると、「鶴は千年、亀は万年。あなたといっしょになってもあなたが亡くなった後、私はずーっと一人未亡人で生きていかなくてはいけない、だから結婚するのはいやです」って。
子どものとき私はこの話聞いて、どういうことかなってよくわからなかったんですけれどね。こんなしゃれたおはなしもあるんですよ。昔話は際限なくいろんなおはなしがある。私は子ども向きの本を書いていますけれど、おとなだけが聞くような昔話もある。仕事が暇なときに集まって自分の体験を架空の話にして話をしているうちに、それがだんだんいいところばっかり残して、つまんないところははずしていって、ひとつの型になって語り伝えられていきたんですよね。何百年たってるにもかかわらず、今でも笑えるっていうのは、人間の心理を見事についてるからなんですよ。昔の人たちのセンスの素晴らしさには、私たちは負けてしまいます。昔話っていうのはすごいなって思います。もちろん伝説も面白いけれども、昔話は架空のお話ですから、自由に奔放に語ることができる。そこが魅力なんですね。

時間 講義:午後6時30分~8時00分(受付開始・午後6時)
会場 鈴木出版(株)3F会議室(JR山手線巣鴨駅下車・徒歩8分/または都営三田線千石駅下車・徒歩4分)
定員 40名(定員になり次第締め切らせていただきます)
内容
5月
講師
もり ひさし先生(児童文学者)
『はらぺこあおむし』翻訳秘話及び創作絵本草創期を語る
『はらぺこあおむし』の翻訳及び日本で創作絵本が出始めた頃のことを語っていただきます。
6月
講師
宮西達也先生(絵本作家)
『自作絵本を語る』
人気絵本作家のご自身の絵本について語っていただきます。
7月
講師
講師 林 木林先生(詩人・絵本作家)
『詩と絵本を語る』
詩と絵本の文章の違いなどについてお話していただきます。
9月
講師
斎藤二三子先生(幼児教育研究家)
『保育に活かす絵本と手遊び指遊び』
子どもが成長する上で、絵本の大切さについて語っていただきます。
10月
講師
講師 とよた かずひこ先生(絵本作家)
『絵本と紙芝居を語る』
ご自身の絵本と紙芝居についてお話していただきます。
11月
講師
講師 西本鶏介先生(昭和女子大学名誉教授・児童文学者)
『昔話と絵本を語る』
本講座のまとめとして、昔話と絵本について語っていただきます。
協賛 鈴木出版(株)/(株)金の星社
受講料 6,000円(第11期全6回分)
ただし、園としてお申し込みの場合は、賛助会員(年会費10,000円)になっていただくと、1園から2名様まで無料で受講できます(代理聴講も可)。
特典
A:会報「おはなし絵本の会」、月刊絵本『こどものくに』進呈。
上記2点は各回受講の際にお渡しします。
B:おはなし絵本の会主催の他の講座などの受講料割引。
申込方法 受講申込書にご記入のうえ、受講料を添えて鈴木出版担当者にお渡しください。
または、申込書を郵送かFAXにてお送りいただき、受付完了後、郵便振替(口座番号;00140-6-606202 口座名称;おはなし絵本の会)に受講料をご送金ください。

申込締切 定員になり次第締め切ります。
問い合わせ

おはなし絵本の会(鈴木出版内)
   〒113-0021 東京都文京区本駒込6-4-21
   TEL:03-3947-5161 FAX:03-3947-5144
  E-Mail:ehon-1@suzuki-syuppan.co.jp

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