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絵本の学校


おはなし絵本の会 連続講座 絵本の学校
絵本の学校・第17期生は定員になりましたので締め切りました。
第1回要約 講師:宮西達也先生
講師:宮西達也先生
「ティラノ」予告編の制作発表のために韓国の釜山映画祭に行ってきました。「ずっとずっと一緒だよ」というタイトルで、名探偵コナンの監督、静野弘文さんが監督してくれます。アニメーションは手塚プロ、音楽は坂本龍一さんです。すごいですよね。釜山映画祭では「君の名は。」や「シン・ゴジラ」が上映されていました。「シン・ゴジラ」の監督もいて、その人と飲んでたときに聞いたのですが「シン・ゴジラ」のシンは神のシン、新しいのシン、色んな意味があるそうです。おもしろかったんですが、やっぱりぼくはあの白黒の昔のゴジラが好きです。昔のゴジラは着ぐるみを撮影したいたのですが、すごく迫力がありました。「シン・ゴジラ」のほうはフルCGです。すごいですよね。「よくできてるな」とは思いますが、怖さを全然感じない。昔のゴジラのがよっぽどリアリティーがあった。今、時代はどんどんどんどん進歩しています。でもね、私達が幸せな方向に、今、時代は進んでいるんでしょうか。そういう意味で今と昔について話したいなあとぼくは思います。
一九六四年、ぼくが八歳のとき、東京オリンピックが開催されました。学校に行ったら先生が「帰れ!お前たち、授業はいいからオリンピック開会式を見なさい」って言われてね。テレビに大人も子どもも釘づけでした。東京オリンピックの時にようやくカラーテレビが普及したんです。うちはまだ白黒だったので、よそのおうちのカラーテレビでオリンピックを見ました。赤と白の制服がすごくすてきでした。でも、白黒テレビの時だってすごくすてきでした。白黒テレビが悪くて、カラーテレビが良いのか、そんなことないですね。プロ写真家の展覧会では、白黒の写真を飾っている人がいっぱいいます。白黒のほうが色を想像させますし、迫力があるからです。一九六九年、ぼくが中学校二年生の時にはアポロ一号のアームストロング船長が月に降りました。偉大な一歩でしたよ。それまで月はどういうイメージでしたか?「月にはうさぎがいて、お餅ついてんだぞ」って言われてましたね。まるっきり鵜呑みにしていたわけではありませんが、もしかしたら生物がいるかもしれない、もしかしたら裏に宇宙人が隠れているかもしれないな、そうやって想像することがどんなに楽しかったか。今は誰もうさぎが月で餅ついてるなんてばかばかしくて言わないですよね。はっきりとわかってしまうっていうのは逆につまんなかったりもします。その、わかるまでの過程が、とても楽しかったり、想像力を豊かにするんじゃないでしょうか。
最近はどんどんデジタル化が進んでいますが、アナログにも良さはたくさんあります。読み聞かせは、生の声で一生懸命読むことが伝わるんですよ。アナログの声で一生懸命やる、そうすると「もう一回読んで、もう一回!」って言いますね。その子どもが大きくなったとき「お母さんが、お父さんがひざの上で読んでくれた本、あの本よかったなあ」って思い出すことがあるでしょう。でも、その本が良かったわけじゃないんです。そのシチュエーションがよかったんです。お母さんが、お父さんが、生の声で読んでくれた。忙しい中読んでくれたこと。ひざにだっこしてくれたこと。それ全部含めてすてきなことです。今も昔もそのことは変わらないんですよ。ずーっと変わらない本当のおもしろさ、絵本、読んであげてほしいと思います。みなさんどうぞこれからも本に携わっていってください。


第2回要約 講師:石津ちひろ先生
講師:石津ちひろ先生
機会があると、私はいつも絵本の楽しみ、ことばの楽しみについてお話をさせていただいています。「ことばって楽しいものなんだな」ということを感じとって帰っていただけたらうれしいです。では最初に「あしたのあたしはあたらしいあたし」という詩を紹介したいと思います。私は愛媛出身なんですけど、この詩を作った時に愛媛新聞の方が「たった六文字でこれだけのことが表現できて、さらに元気ももらえる詩だ」と書いて下さいました。自分でも気が付いていませんでしたが、六文字だけでできている詩なんです。この詩を書いたきっかけは、新沢としひこさんとの対談でした。「石津さんのなぞなぞって詩みたいだよね。すごくゴロが良いし、リズムがあって」って言って下さったので「あら、知らなかった?あたしって詩人なのよ。詩を書かない詩人なの」って返したんです(笑)それを聞いていた理論社の編集者の人から「今度、詩集を作りませんか?」とお話をいただきました。私はその当時、ことばあそびと絵本の翻訳しかやってなかったですし、これからもずっとそれだけでやっていくつもりでしたから「詩は絶対に書きません」とお断りしたんです。やっぱり恥ずかしいって気持ちもあったんですが、フッと我に返ると、もう半世紀近く生きてきて恥ずかしいって言うのも恥ずかしいかなって思って…。じゃあ書いてみよう、となりました。そうしたら「明日をテーマにした詩を書いてほしい」と言われて。そのときに思い出したのが、娘が小学校一年生の時に「ねぇママ、あたしって並べ替えるとあしたになるんだね」と言ったことでした。そのことがすごく心に残っていて「あたし」と「あした」ということばを考えているうちに「あしたのあたしはあたらしいあたし」というのが頭の中で鳴り響いてこの詩ができました。
それでは鈴木出版から出していただいた『おばあちゃんとバスにのって』という本を紹介したいと思います。これはいろいろな楽しみ方があって、私の姉の孫はバスが大好きなので、この絵本も大好きで、毎日のように読んでってせがむらしいです。内容はおばあちゃんと孫のお話なんですけど、凛としたおばあちゃんと、思ったことを何でも口に出す、あどけなくて純粋な孫のやり取りが良いんですね。色々考えさせられる本です。日曜日の朝、たまたまラジオをつけたときに、落合恵子さんがやられている「絵本の時間」というコーナーでこの本が紹介されていました。この一年間で読んだ絵本の中で一番印象に残る絵本でした、と紹介して下さっていたので「聞き逃さなくてよかった!」と思いました(笑)
詩っていうのは一を十とか百にして書くとでき上がるんだなあ、と思います。ほんの小さなことをどうやって表現するか、ということです。詩は回文と違って短くて、自分が心を込めて選んだことばを並べると詩になるんです。だからどなたでも書けると思うので、ぜひぜひ書いてほしいな、と思います。私があるところで話をした時に「私は今日この話を聞いたことがとても残念です。あと五十年前に聞きたかった。」と言って下さった方がいました。その方に話を聞いたら八十四歳ですって言うんです。だから「全然大丈夫ですよ。これからだって良い詩はいくらでも書けますし、その年にならないと書けない詩ってありますよね」と申し上げました。詩は誰にでも書けるものです。作れなくても、作ろうとしてみることが大事なのかもしれません。脳の使っていない箇所を使うのは良いことだし、そうしていれば周りの人にも刺激を与えられるんですね。ちょっと意識しながら毎日を送っていただけるとうれしいです。


第3回要約 講師:内田麟太郎先生
講師:内田麟太郎先生
「この話を書くぞ」ってしっかり考えて、まじめにパソコンに向かって書いたのは大体が失敗作ですね。私の場合はいいかげんに力が抜けてて、ふわふわって浮いてきたものが良いんですよ。私は詩も書いているんですけど、昔は意識的に言葉を構築していくってやり方だったんだけど、あるときから変わりました。自分が知っている日本語よりも、むしろ小さいころから蓄積されてきた日本語の海に身を預ける、そういうやり方にしました。プールに行ったとき一番簡単な方法は、人間は浮くってことを信じて力を抜いてぷわーってすることです。¥そういう風に言葉の海に体を任せちゃうと、やわらかい言葉が来てくれます。『ともだちや』のときも、「ともだちって大切だよね」とは考えてなくて、ただボンヤリしてたら「ともだちや」って言葉が浮かんできたんです。意識を解除すると、予想外のものが出ます。世界中に数十億の人がいて、こんなばかなことを考えたのは一人って思うとすごくうれしいですね。
絵本を書きたいって人によく言うんだけど「発想はなるべくいいかげんに、のびのびと、自由に。定着は理性的に」。ところが、発想も定着ものびのびしちゃってわけわからなくなる人がいるんですよ。定着させるときは、絵本を作ってきた世界中の人々の財産を自分の中に入れて、それでやっていく。なるべく本は読んだ方が良いわけです。自分も気づかないくらい読んで、忘れてしまうくらいっていうのが一番良いんじゃないかなーと思います。
デビューしたころ、童心社から「内田さんは無名だから有名な絵描きさんと組んでください」って言われました。「知らない人の童話は読まれません」って。私は当時、どうしても絵本作家になりたいわけではなかったから誰でもよかったんです。ただ、父親が読んでた漫画に長新太さんの漫画が載ってて、私も大好きだったんですね。だから「長新太さんどうですか」って提案しました。そしたら「ダメです」って。あとで長さんと知り合ってから「最初に長さんに描いてもらおうとしたらダメって言われたんだよ。」って伝えたら「うん。あそこ印税くれないからケンカしたんだ」って言ってました(笑)。話が戻りますが、絵は大事です。絵本を書きたいと思ってらっしゃるかたは、本を十冊買ったら一冊は美術関係って人が向いてると思います。年に五回か十回かは美術展に足を運ぶと良いと思いますね。やっぱり絵が浮かばないとだめだと思うんです。文を書くんだけども、絵を頭に浮かべられるようにする。ある絵描きさんに「内田さんの文からは絵が見える」と言われました。絵を、絵描きさんを好きになることです。文を書く人の仕事は編集長を口説き落とすこと、あとは絵描きさんにやる気を出させることです。絵描きさんに、「一枚いくらだから描く」と思わせるんじゃなくて「この絵で絵本賞とれるかも」とやる気を出させることがたいせつです。
最後に、私の詩の中で一番良い詩を紹介します。「波」って詩です。私の友達から「美術館を建てたら麟ちゃんの詩を飾るばい」って言われたので、「そしたら『波』って詩にしてくれ。辛いことがあった人がくすっと笑ってくれたら、そしたら御の字だよ」って言いました。「地球儀」って詩もあります。「ぼくは死んでも 天国へは行きたくない 切られた悪人のようにバッタリ地球に倒れていたい そして恥ずかしいけど小さな声で言いたい 旅から帰ってきた子どものように お母さん」これは死生観みたいなもんかもしれない。お家にもって帰れる短い詩もあります。岬につづく道を歩いていきます。岬の先端にたちます。青海原が広がっています。思わず感嘆の声をもらしますね。この感動が詩です。「あら、よっと」。ありがとうございました。


第4回要約 講師:金柿秀幸先生
講師:金柿秀幸先生
実は絵本ナビは娘が生まれたことをきっかけに作ったものなので、娘と一緒に大きくなっていって、今年で十六年目になりました。会社以外の活動としては「パパ’s絵本プロジェクト」というのをやっています。お父さんたち四人でチームを組んで、北は北海道から南は沖縄まで、絵本を読んだり、曲をつけて演奏したりして絵本ライブをやっています。他には女優の紺野美沙子さんとご一緒させていただいている「朗読座」、作家さんとのトークイベント、テレビでの解説、作家さんたちとフットサルをしたりしています。
絵本ナビは、今三十人弱くらいのスタッフで運営しています。各出版社の絵本の情報をまとめて、一つの場所で見られるようにしたのが「絵本ナビ」です。「ぐるなび」や「食べログ」などに近いモデルです。利用者は年間一千万人を越えました。絵本の試し読み、テーマやシリーズ別で作品紹介、作家のインタビュー記事などのスペシャルコンテンツなど…いろんなことをやっています。一番売りにしているのは試し読みが出来ることです。絵本を書店で買うときは、立ち読みしてから買いますよね。なので、中を見られるようにしました。数ページ読めるものが八千作品あります。やっぱり一番おもしろいのは、一回だけ一冊まるごと全部読めるサービスです。二千作品あります。出版社の人からは「全ページ試し読みなんてありえない。書店で立ち読みして買うのと、ネットで読むのでは違うと思う。購入に結びつかないのでは」と言われました。そこで一ヶ月トライアルで三十一作品を全ページ読めるようにしたら始める前より平均で四倍も売れたという結果になりました。『いわたくんちのおばあちゃん』という絵本は十三倍も売れました。絵本ナビの売り上げも大きく伸びました。絵本ナビの事業について、僕らは七つの事業展開と呼んでいるんですが、①絵本と絵本グッズのオンラインショップ②定期購読サービス(絵本ナビが選んだ絵本を毎月二冊お届け) ③法人向け物販(幼稚園、保育園、病院、航空会社など) ④出版社広告⑤一般広告(ファミリー向けの商品を持つ企業から) ⑥コンテンツ提供(他社ネット書店に心が動くレビューなどを提供) ⑦プレミアムサービス(月額制で絵本の読み放題や作家さんのサイン本優先販売などのサービスを提供)。業績は創業以来15年連続で上がっていて、絵本ナビは着々と成長しています。
 絵本ナビは、最初は二〇〇二年に木造アパートの一室で、僕ひとりでスタートしました。絵本ナビを始める前はコンピューターのエンジニアをやっていました。夜中まで働いてタクシーで帰って、朝の六時には家を出るという生活だったんですが、子どもができたときに思ったんです。このままでは家族との時間がとれないお父さんになってしまう、それは幸せじゃないなあ、と。独立したほうが大変なんだけども、子どもと一緒に過ごす時間が取れるんじゃないかと考えてスタートしました。娘や五歳の姪っ子に読み聞かせを始めたらとても喜んでくれて。すごくうれしかったんですね。でもどんな絵本を選んだらいいか分からなくて、先輩ママさんたちに「どうやって絵本を選んでる?」と聞いたら「口コミだ」と言うんです。そこで十人のママさんたちに五冊ずつオススメの絵本を選んでもらって、五十冊の絵本リストができました。驚くことに、その中でかぶってるのは一冊だけだったんです。みんなバラバラなんですね。それを集めてママさんたちに見てもらったら、すごく盛り上がったんです。「これをインターネットでやったらどうだろうか?」とママさんたちに聞いてみたら「それは便利だからみんな使うわよ」と。そういうことで絵本ナビをスタートしました。


第5回要約 講師:石川えりこ先生
講師:石川えりこ先生
すばる書房という出版社で「月刊絵本」という月刊誌がありました。そのころはデビューするにはこの「月刊絵本」の新人賞で賞をとるしかなくて。私が応募したときは最優秀賞なし、長谷川集平さんの『はせがわくんきらいや』が優秀賞で、私は佳作でした。賞を立ち上げた人たちがそうそうたるメンバーで、古田足日さん、田島征三さん、今江祥智さん、田畑精一さん、わかやまけんさんも携わっていました。みんなが30代、40代のときですね。後から聞いた話ですが、日本の絵本をどうするか、作家をこれからどう育てていくかっていう時代でしたから、みんな熱い人たちばかりで本当にけんかがらみの審査をやったそうです。これも何年もあとから聞いた話ですが、田島征三さんは私を推してくださったそうです。今江祥智さんは長谷川さんを推していて、ちゃぶ台をひっくり返すほど言い合いをしたって聞きました。賞の講評で、田島征三さんが私の作品について「惜しかったなあ」と書いて下さったんです。佳作で惜しかった、というなら優秀賞にすればいいのにって、まだ若かったのでそんなふうに思ってしまいました。私は田島征三さんの大ファンだったので、田島さんに見てもらいたいがために出したようなものだったんです。そのときに描いたのは炭鉱のお話でした。私は福岡県筑豊地方の嘉麻市という炭鉱があった町に生まれ育ちました。父は直接炭鉱を掘ってはいませんでしたが、ホワイトカラーと労働者の生活ランクが非常に違う、カースト制度があるような社会でした。絵本は筑豊炭田の炭鉱の労働者を中心に書いたんですけど、そんなこと私に分かるはずないんです。上っ面をなでただけの話でした。それを審査員に指摘されてるはずなんですね。それなのに惜しいなって言われたというのは、どういうことだったんだろうって。どこが惜しくて、どこが惜しくなったのかというのを、ずーっとそのときから頭の中に持ち続けていました。
東京でイラストレーターをやっていたころ「幼稚園ママ」という雑誌の巻頭ページに見開きで毎月子どもに関するイラストを描き始めました。その前は山崎製パンの中華まんのデザインや日本相撲協会のポスター制作など全然違う仕事をしていたので、「幼稚園ママ」が私を子どもの世界に戻してくれました。そのころにデビュー作の『ボタ山であそんだころ』(福音館書店)を描き始めました。絵本ではなく、古典の作品として描きました。ちなみにこの本は実際にあった事故を題材にしていますが、出版社からしたら売れそうにない本なんですよね。福音館の松居直さんは「こういう事実を伝えるのも絵本の役目の一つなのではないか」と出版を許してくださいました。
『なんにもせんにん』のお話を聞いたときに、ガリバー旅行記を思い出しました。ガリバーくらい大きく感じるのかなあ、その大きさをどうしようかな、と思って。また、「なんにもせん」と、別に悪気もなく過ごしている男がいますね。遊んでいるけども、その日に食べる魚を釣ったり、その日暮らしで十分に生活できる。けれど生活をする以上に、汗を流したり一人でいるよりも社会と繋がっていくことによって表情が変わっていく。そういうことも絵の中に入れたかったんです。あと、村の人たちの男を見る目も少しずつ変わっていきますね。季節が変わったり、人が変わったりというのを全部ひとつの絵本の中にまとめられるといいなあ、と思いながら描きました。子どもが読んで「はい、おわり」というのではなくて、成長していくたびに視点を変えれば少しずつ別の話が見えてくる、という絵本にしたかったんです。すごく思い出深いというか、とても大好きな本です。


第6回要約 講師:西本鶏介先生
講師:西本鶏介先生
これまでいろんな方がいらっしゃって、いろんなお話をされたと思います。そこで絵本の基本的なことを考えてみると、絵本は子どもの文学というわけですが、今の世の中は文学に対しての取り組み方が弱いような気がするんですね。「子もどの文学というものは非常に単純で楽天的」と思いがちですが、私たちの生きる勇気とは、幸せとはなんだろうか、など、なにか人生の出発点に立ち返って考えさせてくれるのが子どもの文学だと私は思っています。
絵本は子どものための本、ということ以外にもう一つ考えなくちゃいけないのは、絵本は一つの表現方法ということです。絵本は短い言葉で、絵を使って、自分のメッセージや言いたいことを表現する一つの手段です。たとえば最近出た絵本ですが、きむらゆういちさんの『あいたくなっちまったよ』(ポプラ社)はお父さんのための本なんですよ。明らかに大人に向かって書いてる。大人へのメッセージをうまく描いている絵本です。『にんじんケーキ』(評論社)という絵本も、大人へのメッセージを絵本というスタイルを使って表現しているものです。外国の絵本ですね。身につまされる、夫婦のための絵本です。この絵本を読んで「なるほど」という小さい子どもがいたら末恐ろしいですよ。完全に大人のための、夫婦円満の秘訣についての絵本です。何度読んでも考えさせられるいいお話ですね。今年の10月に『さほちゃん すきすき だいすき』という絵本を描きました。「さほちゃん、すきすきだいすき」と絵本の中のようすけくんが心の中で言うんです。子どもには『にんじんケーキ』の前にこっちだろう、と思うんですよ。子どもだって好きな人はちゃんといますから。
私が審査員をやっているJX-ENEOS童話賞も小学生の部、中学生の部、一般の部とあるのですが、大人はあきらめて、これからは子どもにお話を書いてもらった方がいいんじゃないかと思うんです。だいぶ前のものですが、「おはなしエンジェル子ども創作コンクール」最優秀賞の『一日だけうさぎ』というお話は良かったですね。子どもでも才能ある子は良い作品を書けるのですが、1作だけで終わることが非常に多いです。子どもっていうのは優れたものを持っています。この前ちょうど賞の選考会が終わったのでいくつか紹介しようと思います。私はシシャモは頭としっぽを取って食べるのですが、これを読んで反省しました。8歳の子どもが書いた『きゅう食のししゃも』というタイトルのお話です。単純なんだけれども、なんか笑っちゃう。私はこれを読んでからシシャモの頭を食べるようになりました。こういう、なんでもないことを新鮮に感じられる感性って言うのは素晴らしいですね。私たちは昔、その感性を持っていたはずなんですが年を取るにつれ忘れてしまうんですね。新しくない、身近な日常的なことでも、ちょっと視点を変えて考えるといろんなものが頭に浮かんでくるんですね。もしお話を書くのだとしたらこういう感覚を持ち続けること。決して難しいことではないと思います。みなさんも読んだり書いたりすることもあるでしょうけど、もう一度新鮮な気持ちになって絵本の魅力、絵本ってなんだろうって考えて書いてください。お願いは、なるべく絵本をたくさん買ってくださいということです。これは文を書く人にも、絵を描く人にも、人助けになるということですね。今はなかなか本が売れない時代ですが、子どもの本はよく売れると言われます。やっぱり良い本はみなさんも買って、自分の本にするということが大事ですね。そうしたらもっと新鮮な心になりますね。


時間 講義:午後6時30分~8時00分(受付開始・午後6時)
会場 鈴木出版(株)3F会議室(JR山手線巣鴨駅下車・徒歩8分/または都営三田線千石駅下車・徒歩4分)
定員 40名(定員になり次第締め切らせていただきます)
内容
5月
講師
宮西達也先生(絵本作家)
『絵本作家との交遊録』
  宮西先生が作家活動で出会った魅力的な方々についてお話ししていただきます。
6月
講師
石津ちひろ先生(詩人、絵本作家、翻訳家)
『絵本を語る』
  詩、絵本、翻訳、言葉遊びと幅広い創作活動の舞台裏をお話ししていただきます。
7月
講師
内田麟太郎先生(詩人、絵本作家)
『内田麟太郎の絵本』
  独特の言葉センスが光るご自身のナンセンス絵本についてお話していただきます。
9月
講師
金柿秀幸先生(絵本ナビ代表)
『絵本ナビで絵本を拡げる』
   絵本ナビの立ち上げから現在に至るまでを熱く語っていただきます。
10月
講師
石川えりこ先生(絵本作家)
『自作絵本を語る』
  自作絵本の元になった子供時代の素朴であたたかい体験をお話ししていただきます。
11月
講師
西本鶏介先生(児童文学者)
『最近の絵本を語る』
  本講座のまとめとして、最近の絵本と童話について語っていただきます。
協賛 鈴木出版(株)/(株)金の星社
受講料 6,000円(第17期全6回分)
ただし、園としてお申し込みの場合は、賛助会員(年会費10,000円)になっていただくと、1園から2名様まで無料で受講できます(代理聴講も可)。
特典
A:会報「おはなし絵本の会」、月刊絵本『こどものくに』進呈。
上記2点は各回受講の際にお渡しします。
B:おはなし絵本の会主催の他の講座などの受講料割引。
申込方法 申込書を郵送かFAX にてお送りください。
受付完了しましたら、ご連絡いたしますので、受講料は受付完了後にお支払いください。
郵便振替(口座番号;00140-6-606202 口座名称;おはなし絵本の会)にご送金ください。
または、受講申込書にご記入のうえ、受講料を添えて鈴木出版担当者にお渡しください。
申込締切 定員になり次第締め切ります。(先着順)
問い合わせ

おはなし絵本の会(鈴木出版内)
   〒113-0021 東京都文京区本駒込6-4-21
   TEL:03-3947-5161 FAX:03-3947-5144
  E-Mail:ehon-1@suzuki-syuppan.co.jp

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